以下の理由が考えられます.
(1)液晶のコントラスト調整が適切でない
コントラストは,マルチテスタ基板の半固定抵抗VR1を回して調整します.まず,78K0 USBマイコン基板のUSER_ENのジャンパをショートした状態で電源をONするか,トラ技BIOSから
jmp 2000のコマンドを実行して,マルチテスタのプログラムを実行状態にします.次に,VR1を反時計回りいっぱいまで回します.すると液晶画面が黒くなります.
ここからVR1を時計回りに徐々に回していき,文字が見やすい状態にします.
(2)JP1やFLMD_ONのジャンパがショート状態になっている
USER_ENのジャンパをショートして,電源ONと同時にマルチテスタ基板のプログラムが実行されるようにしていても,JP1やFLMD_ONのジャンパがショート状態だと78K0マイコンがリセット状態になり,プログラムが実行されません.
マルチテスタ使用時はJP1とFLMD_ONのジャンパをオープンにしてください.
(3)プログラムがROMに書き込まれていない
マルチテスタのプログラムはサイズが大きいため,RAM上での実行はできません.トラ技BIOSの
flashコマンドを使って,フラッシュROMに書き込む必要があります.
また,フラッシュROMに書き込んだプログラムは
jmp 2000コマンドで実行します.
jmp f000ではプログラムが正しく実行されません.
(4)ハードウェアに組み立てミスがある
マルチテスタのプログラムをマイコンに書き込んだ後,jmp 2000でプログラムを実行してください.次に,SW2(真ん中のボタン)を1回押したあと,SW3(右側のボタン)を1回押してください.プログラムの 実行直後であれば,この操作でファンクション・ジェネレータが立ち上がります.
このとき,マルチテスタ基板に搭載しているD-Aコンバータにアクセスが発生し,それに合わせて78K0 USBマイコン基板上のLEDが点灯します
LEDが青く点灯するのであれば,プログラムが正しく動いています.この状態で液晶画面に表示が出ないのであれば,先に説明したコントラストの調整不良の ほか,R19の抵抗値間違いやVR1の実装不良,液晶部分のコネクタの実装不良,74HC4094の実装不良が考えられます.
LEDが点灯しない場合,先に説明したプログラムの書き込みミスのほか,78K0 USBマイコン基板のソケット勘合不良などが考えられます.
<落合 幸喜>
2008/8/14 公開
2008/9/17 「(4)ハードウェアに組み立てミスがある」を追記