高価で高機能プロセッサを使用すれば容易に電源性能を得ることが可能ですが,安価なプロセッサを使用して電源性能を得るためには制御法の工夫が必要で,試行錯誤を繰り返すことになります.
裏返しになりますが,ディジタル制御のパワエレ開発でのよろこびは,新しい制御アルゴリズムを考え付き,目標の電源性能が得られたときに得られると思います. <田本 貞治>
対象をどのように制御すると良いのか,正確に深く理解することです.そうでないと制御の仕様も決まらず,プログラムも書くことができません.
正確に深く,と書くと漠然としていますが,具体的には制御対象の数学モデルを作ることです.言葉を換えると「システム同定」です.
この数学モデルの完成度や精度によって,ディジタル制御によって得られる性能の上限が決まってきます.ここに「システム同定」の重要さを感じますし,非常に難しいことも事実です. <瀬川 毅>
制御対象に最適な制御理論の選択と,限られたCPUリソースで制御演算を周期内に実現することです. <田中 裕一郎>
性能とコストのバランスを考慮すること.
汎用品には無い新機能(コンパレータとの連動)の仕様検討や実現方法の検討も大変でした. <立原 裕司>
マイコンのデバッグにおける手法がそのままでは使えないこと.
マイコンの電源をいかにして確保するか.
ノイズに対しての誤動作対策. <郡司 高久>
PFC制御プログラムにおける,パラメータ調整です.
PFC出力のON期間は,PFC出力電圧を一定に保つ役割がありますが,負荷電力と電源入力電圧という二つのパラメータに依存するので,それらを実機ボードにて条件出しするのに苦労しました.
計算によりある程度算出することも可能ですが,基板に依存する寄生容量など不確定要素を含めて精度良く算出するのは非常に困難であるため,この条件出しが必要でした. <藤原 泰幸>