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USBで使える最高性能H8基板付き増刊を企画しました!

 USBに挿すだけでとにかくすぐに始められて,タッチ・パネル付きカラーLCDも動かせるH8マイコン基板を,トランジスタ技術増刊「今すぐ使える!H8マイコン基板」(2010年2月25日発売)の付録に付けるので特徴を紹介します.

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シリーズ最高クラスのH8マイコンを搭載
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ライタ不要のUSB対応H8マイコン基板を用意!
 マイコンは,身の回りのさまざまな機器の中で日夜活躍してくれています.家庭内を見渡しても,もはやマイコンの入っていない電子機器はありません.自動車になると,1台当たり50~100個のマイコンが使われています.今やマイコンは抵抗やコンデンサに並ぶ「当たり前の部品」に位置付けられ,エンジニアはマイコンを使う技量が必要になっています.

 しかし,マイコンの学習は座学だけでは身になりません.実際に自分でハードウェア,ソフトウェア両面でマイコンをじかに触り,自分の意図したことをマイコンに動作させてみて初めて理解できます.そこで,USBに接続できて,USB経由のマイコン・プログラミングが可能(ライタ不要)なシリーズ最高クラスのH8マイコン基板を,トランジスタ技術増刊号の付録に付けることにしました.

USB内蔵でメモリも大きなH8SX/1655を使用
 増刊付録のH8マイコン基板(MB;MCU Board)の外観を写真1に示します.搭載するマイコンとしては,ルネサス テクノロジ製H8SXシリーズの中からH8SX/1655を採用しました.仕様の概要を表1に示します.


写真1 USBに挿すだけでとにかくすぐに使えるように設計したトランジスタ技術2010年4月号増刊の付属H8マイコン基板(MB基板)

 

項目

内容

CPU H8SXコア,動作周波数50MHz(本基板では48MHz)
ROM 512Kバイト フラッシュ・メモリ
RAM 40Kバイト
周辺機能 割り込みコントローラ(INTC),ユーザ・ブレーク・コントローラ(UBC),DMAコントローラ(DMAC),外部バスDMAコントローラ(EXDMAC),データ・トランスファ・コントローラ(DTC),バス・コントローラ(BSC),クロック制御(CPG),A-D変換器,D-A変換器,8ビット・タイマ(TMR),16ビット・タイマ・パルス・ユニット(TPU),プログラマブル・パルス・ジェネレータ(PPG),ウォッチドッグ・タイマ(WDT),シリアル・コミュニケーション・インターフェース(SCI),I2Cバス・インターフェース(IIC2),USBインターフェース(USB),I/Oポート(GPIO)
パッケージ 120ピンLQFP


表1 シリーズ最高クラスのH8マイコン(H8SX/1655)を搭載

 H8SXシリーズは32ビットCISC(Complexed Instruction Set Computer)であり,H8シリーズ全体の中では最もハイエンドな位置にあります.
 H8SX/1655は,USB(Universal Serial Bus)インターフェースを備えており,簡単にパソコンとデータをやりとりできます.USB経由でプログラムをマイコンに書き込めるのでライタが不要です.内蔵フラッシュ・メモリが512Kバイト,内蔵RAMが40Kバイトと大きく,プログラムやデータのサイズの制約をあまり受けずに開発できます.周辺機能もシリアル,タイマ,A-D変換器,D-A変換器,DMAC(Direct Memory Access Controller)など豊富です.

 本マイコン基板は,USBケーブル1本でパソコンに接続すれば,バス・パワーで動作し,プログラムのダウンロードもソース・レベル・デバッグも一通りのことを行えます.また,H8SX/1655の全機能,全モードを動作させることができます.

学習用の拡張基板やタッチ・パネル付きLCDを試せる拡張基板を用意!
▲学習用の拡張基板を用意
 本H8マイコン基板は2種類の拡張基板を用意(別売)しており,それらを組み合わせると写真2のようなタッチ式ディジタル・オシロスコープを実現できます.


(a) 表面の外観

(b)裏面の外観

写真2 H8マイコン基板と拡張基板2種類を使ったタッチ式ディジタル・オシロスコープの実現
(b)のように写真1の付録基板(MB基板)の下にシステム拡張基板(SB;System Board)を接続することができる.キャラクタLCD表示モジュールも搭載できる.(a)には,さらにそのSB基板の下に,タッチ・パネル付きカラーLCD用拡張基板(TB;TFT LCD Panel Board)を接続して,基板3枚を接続した全体を裏表ひっくり返して,アクリル板を使ってLCDパネルと合体して組み立てた例を示している.USBバス・パワーですべての基板が動作する.


 システム拡張基板(SB;System Board)は,H8マイコンのプログラミングを学習するためのものです(写真3).キャラクタLCD,アナログ入出力,スイッチ入力,RS-232-Cインターフェース,RTC(Real-time Clock),SDカード・スロットなどを搭載しています.増刊では,各機能を動かすためのソフトウェアを付録CD-ROMに収録して提供します.


写真3 H8マイコン付属基板を搭載できる.簡単にいろいろプログラミングを試せるように設計したシステム拡張基板(SB基板)(別売)

▲タッチ・パネル付きカラーLCDシステム開発用の基板も用意
 H8SX/1655はTFTカラーLCDパネル(QVGA:320×240ピクセル)を直接制御して画像を表示できます.そこで,カラーLCDの画像表示を簡単に試してみられるようにタッチ・パネル付きカラーLCD用拡張基板(TB;TFT LCD Panel Board)を用意しました(写真4).増刊号では,LCDへの表示と描画のためのソフトウェアも提供します.また,LCDパネルには抵抗膜式タッチ・パネルが付いています.A-D変換器などによりタッチ位置を読み取る方法を紹介します.


写真4 H8マイコン付属基板を搭載できる.簡単にタッチ・パネルやカラーLCDの画像表示が試せるように設計したタッチ・パネル付きカラーLCD用拡張基板(TB基板)(別売)

無償ツールなどを使って簡単にデバッグできる開発環境を用意
 マイコン・プログラミングで重要なことは,開発環境を充実させることだと筆者は思っています.手軽に扱える環境であるべきことはもちろんですが,Cコンパイラとマイコン内のフラッシュ・メモリへのプログラム書き込みツールだけでは不足です.プログラムのソース・レベルでデバッグできる環境がきちんと提供されるべきです.初心者ほど,「可視性」すなわち,マイコンの中で何がどうなっているのかが見えることが重要なのです.

 増刊号ではルネサステクノロジの純正開発環境HEW(High Performance Embedded Workshop)を使ったプログラミングのほかに,すべて無償のツールを使って構築する開発環境を紹介します.USB経由で直接フラッシュ・メモリ上のプログラムをリモート・デバッグでき,すべてGUIから操作できます(図1).


図1 無償ツールだけで構築した簡単にデバッグできる統合開発環境
ソースの編集やビルド,デバッグをGUI上から操作できる.

 

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