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ホーム > 記事サポート > 2018年 > 全国で1cm測位!RTK-GPS
 

全国基準局設置プロジェクト

基準局は多いほど良い!身近に欲しい!
 GPSなのに1cm精度を実現するRTKは,位置がわかっている基準局の受信データを使って位置情報を補正します.
 基準局の位置は近いほど良く,理想的には10km以内です.基準局は多いほど良いのです.
 基準局設置にご協力いただける方には,ピンポイントGPSチューナDIPキットAを税込27,000円のところ21,600円に割引きして販売します.
キット販売
トラ技RTKスタータキット基準局用 : TGRTK-A】
般販売
http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/I/I000238.html
全国1cm測位プロジェクトご参加の方(特別料金)
http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/I/I000238/moushikomisyo.pdf

【トラ技RTKスタータキット移動局用 : TGRTK-B】

http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/I/I000239.html

全国RTK測位基準局開設プロジェクトにご協力ください
 RTKでセンチ・メートル精度のリアルタイム測位を実現するためには,自身(移動局)の半径10km以内に,正確な位置情報(緯度,経度,高度)GPS電波の位相情報を出力するGPSレシーバ(基準局)が必要です.
 小誌編集部では,「1つの町に1つの基準局」を目指して,「全国1センチ測位プロジェクト」を立ち上げました.本特設サイト,および特集記事を執筆した中本 伸一氏(サイレントシステム社 https://www.silentsystem.jp/ )の協力で設置した基準局の掲示板をご覧ください.

オープン基準局の利用法とMy基準局を公開する方法  執筆 :中本 伸一
 以下のリンクから記事をご参照ください.※PDFで全文ご覧いただけます.
-- https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2018/01/p078-081.pdf

善意の基準局

-- http://rtk.silentsystem.jp/

*編集部で用意するNTRIPサーバについて
 運用準備中です.uchikado@cqpub.co.jpまでご連絡ください

ピンポイントGPSチューナDIPキット

 初めての1cm測位 RTK 超入門
~スタータキットで初体験!基準局の作り方まで~
                     茨城工業高等専門学校 岡本 修

著者経歴
2007年4月 -  現在   茨城工業高等専門学校 准教授
2000年2月 - 2007年3月 茨城工業高等専門学校 助手 
1993年4月 - 2000年1月 西松建設(株)技術研究所 研究員

 2018年1月号「全国で1cm測位!RTK-GPS」の特集はいかがだったでしょうか.RTKをやってみたいと思われた読者も多いと思います.このページでは,初めての衛星測位で不安な読者の皆さんが,一歩一歩着実にステップアップして受信機を使いこなせるようにサポートするために開設するページです.このサポートページを定期的に更新し,記録を残して充実させていきます.まもなく販売が開始される「ピンポイントGPSチューナDIPキット」を皆さんで使い倒しましょう!

第1回 ピンポイントGPSチューナDIPキット誕生



第1回目は,「ピンポイントGPSチューナDIPキット」の説明です.
受信機キットは2種類あります.どっちを買えばいいのかわからない,悩んでしまう.
そんな疑問を解決します.

「ピンポイントGPSチューナDIPキット」とは
 RTKの測位は複雑な演算が必要で,低価格のGPS受信モジュールの多くは受信モジュールは受信だけで,パソコンで測位計算します.そのRTK測位計算エンジンを内蔵したGPS受信モジュールがNEO-M8P(ユーブロックス社)です.このモジュールをコンパクトな基板に搭載した「ピンポイントGPSチューナDIP」を紹介します.アンテナをセットにしたキットで販売します.

キットは2種類
 「ピンポイントGPSチューナDIP」にはキットAとキットBの2種類があります.これは搭載されるモジュールの仕様の違いです.簡単に言ってしまうと,特に基準局のデータを配信することに適した基準局,移動局の両方で使えるキットAと,移動局での利用に焦点を当てたキットBです.この選択には,まずRTKを知る必要があります.ここでは,RTKの概要とキットA,Bの特徴を紹介します.

RTKとは何か (a)まずその精度から
 RTK(アールティーケー)は,Real-Time Kinematicの略で,測位法の種類を指します.その特徴はリアルタイムに数cmの測位精度で位置を計測できることです.2018年1月号第1話(P.39)図1にある通り,スマートフォンやカーナビで使われる受信機で使われる単独測位法が,水平方向5-10m程度の精度なのに対して,RTKは水平方向で数cmの精度が得られます.この精度は,搬送波(約1.5GHz)を直接観測することで実現しています.衛星-アンテナ間を測距精度2mmで計測する,にわかには信じられないことをやっているのがRTKです.
 
RTKとは何か (b)RTKに必要なもの
 RTKに必要な機器は何でしょう.2018年1月号第1話(P.43)図2にはRTKに必要な機器構成の一例を示しています.RTKには基準局と移動局が必要です.RTKは相対測位法と呼ばれ,この基準局と移動局で同一時間に観測したデータから相対位置を計測する測位法です.基準局と移動局で同時に観測して,それぞれ局で得られた観測データを瞬時に測位計算して測位結果を算出する必要があります.

 基準局は,座標値(正確な緯度,経度,高さ)が既知の場所に三脚で固定設置します(だから基準局は動かせません).この基準局で得られたデータを基準局データと呼ぶことにします.
 移動局は位置を計測したい対象に搭載します.例えば車の位置を測りたいのであれば,移動局は車に搭載します.この移動局で得られたデータを移動局データと呼ぶことにします.

 基準局データと移動局データは,測位計算をするのに必要なデータです.では,どこで測位計算をするか,基準局なのか移動局なのか,それ以外の例えばクラウド上で...どの場所を選択するにしても,リアルタイムに測位結果を算出するためには,どこか1箇所にデータを集める必要があります.
 そのためにはデータ伝送用の無線機やモバイルルータといったデータ伝送手段が必要です.必要なボーレートは2kbps程度(今回のキットの場合)と,そんなにスピードを求められるわけではありませんが,毎秒時間遅れなく伝送し続けることが必要です.

 今回のキットは移動局に設置する受信機内部で測位計算することに対応します.測位計算には,基準局データを移動局へ伝送して,移動局の受信機に入力する必要があります.移動局の受信機内部で,基準局データと移動局データを処理して,基準局と移動局の相対位置を算出して出力します.基準局の位置(緯度,経度,高さ)は既知なので,算出した相対位置から移動局の位置を緯度,経度,高さで出力できます.(基準局の位置に誤差があると,移動局の位置もその誤差分シフトしてしまいますが,基準局と移動局の相対位置は数cmの精度で計測できます)

 ずいぶん話が遠回りしましたが,簡単に列記すると次のような機器が必要になります.
 (1)基準局のアンテナと受信機
 (2)基準局のデータを伝送する伝送手段(モバイルルータや無線機)
  (3)移動局のアンテナと受信機


 よって,キットが2つ必要です.ただ,基準局が無くても2018年1月号イントロダクション(p.37)全国RTK基準局マップにある通り,第14話(pp.78-81)にある公開された基準局が配信するデータを利用することが可能です.ただし,基準局から10km以内という条件があって,これ以上の距離になりますと精度数cmは難しく,精度数十cmとなります.まずは移動局だけで,公開された基準局のデータを受けることから始めましょう.

 公開された基準局を使うのであれば,それを受けるIP通信機器(例えばモバイルルータ)とパソコンがあれば,基準局データを受けられます.その基準局データを移動局の受信機に入力すればRTKが可能です.

RTKスタータキットの紹介



 前置きが長くなりましたが,やっとキットの紹介です.12月15日~18日に販売サイトがオープンします.
   お問い合わせはCQ出版ウェブショップ http://shop.cqpub.co.jp/まで

ピンポイントGPSチューナDIPキットA(TGRTK-A,CQ出版社)
 基地局・移動局のどちらでも利用でき,基準局データのフォーマットRTCM3出力に対応するNEO-M8P-2-10モジュールを搭載するキットAです.
1月中旬に入荷予定です

「ピンポイントGPSチューナDIPキットA(TGRTK-A) 税込27,000円」


  RTCM3とは何でしょう.これは基準局データのデータフォーマットの1種です.基準局データのデータ容量を圧縮して,通信量を減らすことを意識したフォーマットであって,圧縮比が高いフォーマットです.キットAはこれに対応しています(キットBは対応していません).基準局データを移動局に送る際のパケット量を節約します.なお,M8P内蔵のRTK測位計算エンジンを利用する場合は,RTCM3フォーマットの基準局データを受ける必要があります.
 キットAとキットB(後述)で迷った際,こちらのキットAを購入しておけば間違いないです.こちらのキットAのみ全国基地局プロジェクトにご参加いただける場合は21,600円に割引きいたします.

ピンポイントGPSチューナDIPキットB(TGRTK-B,CQ出版社)
 こちらは移動局用のNEO-M8P-2-10モジュールを搭載するキットBです.
1月中旬入荷予定です


ピンポイントGPSチューナDIPキットB(TGRTK-B) 税込み21,600円

 
 移動局用に用意された受信機です.キットAとの違いはRTCM出力ができないこと.価格差はRTCM3出力のためのライセンス料のためです.キットBは,RTCM3出力に対応していませんが,基準局としても使うことができない訳ではありません.RTCM3フォーマットによる出力に対応していないだけ,ublox社独自のRAWデータを使って基準局データを出力することは可能です.
 このRAWデータは,M8P内蔵のRTK測位計算エンジンは使えません.基準局データとして受け取ることができるのが,RTCM3のみという制約があるからです.
 しかし,パソコン上の測位計算プログラム,例えば2018年1月号の付録CDにあるRTKLIBで測位計算する場合はRawデータによる基準局データを使うことができます.ちなみにRTKLIBでは,ublox社独自のRawデータを使った基準局データをRTCM3に変換する機能も備えており,この変換機能を使うことでM8P内蔵のRTK測位計算エンジンを使うことができます.(現在,RTKLIBで変換したRTCM3をM8Pが認識できない不具合がでています.)
 移動局としてしか使わない場合,こちらで構いません.自分で基準局と移動局を構築する場合は,キットAとキットBを1個ずつ購入します.キットAを2個でも,もちろん大丈夫です.

●ピン配置
 NEO-M8Pの端子を(RF系の9~12番を除き)そのままの順番で引き出してあります.


●回路図


キット付属のアンテナについて



測位精度が数cmとなるFix解を短時間で得るにはGPS+BeiDouの選択がお勧め
 キット付属のアンテナはGPS(米国が管理運営する測位システム)のL1帯の受信周波数に対応したアンテナです.キットで使う受信モジュール(ユーブロックス社のM8P)はGPS+BeiDouの同時受信,もしくはGPS+GLONASSの同時受信を選択できます.現状では,RTKにおいて水平方向の測位精度が数cmとなるFix解が短時間に得られやすいことから,GPS+BeiDouを選択されることをお勧めします.

キット付属のアンテナはRTK測位体験用の入門者向
 このGPS+BeiDou受信において,キット付属のGPSのみに対応したアンテナを使うと,BeiDouの受信は可能であるものの,受信感度が約5dBHz低下することが確認されています.
 この問題は,RTKを体験する用途としては良いものの,仕事で使えるか性能を見極めたい,周囲に建物や木々の障害物のある受信環境で使いたい場合には,RTK本来の性能を発揮できない場合があります(GLONASS受信も同様に対応していません.受信感度の低下や受信できない場合があります).

短時間で精度の高いFix解を得たい用途には高性能なアンテナを使う
 今回のキットでは,まず皆様にRTKを体験してもらうべく,低い価格を実現するため,このアンテナを付属することになりました.本来のRTKの性能を引き出し,短時間で精度の高いFix解を得るには,受信感度や軸比の性能の高いアンテナを使用することが必要です.特にローコスト受信機では,その性能を左右する大きな要素の一つになります.
 まずは,周囲に障害物が少ない環境でキット付属のアンテナを試して頂き,BeiDouの受信感度を確認した上で,次のステップとして,性能の高いアンテナの購入をご検討いただければ幸いです.

高性能なアンテナの情報は本サイトで紹介します!
 アンテナは世界中のメーカから様々な機種が販売されています.どのアンテナの性能が高いのか性能表を見ただけではわかりません.
 そこで,本サイトにおいて,定評のある低価格アンテナをご紹介させていただきます.これは先人達が人柱になって評価してきた成果でもあります.もっと安くて性能の良いアンテナがあるかも知れません.
 そのような情報がありましたら教えて下さい.評価した上で必要に応じてご紹介いたします.

                         *

開発者の想い…RTK測位の技術を1人でも多くの方に体感して欲しい     ※買い占めはご遠慮ください
 今回は「ピンポイントGPSチューナDIPキット」を紹介しました.キットA,Bのどちらを買えば良いのか,購入する際の参考にして下さい.なお,ubloxのM8Pモジュールは,モジュール単体で1個2万円するものです.基板に載せてアンテナ付きで27,000円は超バーゲンセールです.ちょっと前まで100万円オーバーが相場だったRTKエンジン内蔵の受信機がここまで低価格になったことは驚きですが,今回のキットはさらに低価格ということもあって,初めの一歩には最適なキットになっています.あるGPS受信機を使ったシステム開発をするメーカさんでは,このキットを買い占めよう何て声を聞きました.それだけ安いのですね.でも買い占めはご遠慮下さい.このキットは初めの一歩を踏み出す人のためにubloxの協力があって実現できています.売り切れてしまったらRTKが広まりません.

実績あり! GNSSアンテナの紹介

 仕事でRTKが使えるか評価したい,周囲にビルや木々などの障害物が多い場所でRTKが使いたい,そんなときはキット付属アンテナに代えて,高性能なアンテナを使って本来のRTKの性能を引き出して欲しい.そんな想いから定番で実績のあるアンテナを紹介します.この項は随時,更新します.まず始めにアンテナを購入する上で考慮する必要がある項目を説明します.

各衛星システムから放送されている信号
 アンテナは,受信できる衛星システムおよび対応する信号で種類があります.衛星システムは,GPS(QZSS),BeiDou, GLONASS, Galileoです.QZSSはGPSが対応していれば受信できます(QZSS独自のL6は別).それぞれの衛星システムでは複数帯域の幾つかの信号を放送しています.

 GPS(QZSS)・・・L1/L2,/L5 (QZSSのみL6)
 BeiDou     ・・・B1/B2/B3   (BDSという表記もあり)
 GLONASS    ・・・G1, G2     (L1/L2と表記する場合あり)

GPSのL1のLはLバンドに由来する記号と思われます.他の衛星システムでは,これと混同しないように衛星システムに由来する記号を付しています.

このキットで必要な受信衛星の種類
 キットの受信モジュール(ユーブロックス社M8P)は,受信モジュール内の測位計算で利用するのはGPS(L1),BeiDou(B1)です.BeiDouと排他的利用になりますがGLONASS(G1)も対応します.また,現状はQZSS(L1)は受信のみ対応.設定メニューからのみ見えますが,Galileo(E1)の受信も将来的にできるかもしれません(ユーブロックス社の別機種のM8Tでは対応).ここではキットの受信モジュール利用で必要となる,GPS(L1)とBeiDou(B1)に対応するアンテナをご紹介します.

アンテナ接続端子,アンテナケーブル
 キットのアンテナ端子は,SMA-J(SMA端子のジャック)です.アンテナとキット間は,アンテナケーブルが必要です.キット側のケーブル端末処理がSMA-P(SMA端子のプラグ)のものが対応します.アンテナ側はアンテナの端子に合わせてください.一部のアンテナではキット付属アンテナと同様に,アンテナケーブル付きでSMA-Pの端末処理がされているものがあります.その場合はキットに直接接続できます.

取付ネジ
 アンテナは,三脚に取り付けたり,ポールの先に付けたり,自動車の屋根に付けたりします.その際,取付ネジの仕様に合った取付方法を考える必要があります.測量用途では5/8インチが主流ですが,カメラ三脚ネジに対応したもの等があります.キット付属のアンテナのように,ネジはなくマグネットになっていて自動車の屋根につくものもあります.

グランドプレーン
 アンテナ下に導電性のプレートを配置してマルチパスを除去するものです.通常,アンテナはグランドプレーンを付けることを想定して設計されており,仕様書の特性も,例えば10cmのグランドプレーンを付けた場合と但し書きが書かれています.特にRTKでは,このグランドプレーンがないと性能がでません.必ずグランドプレーンを付けてください.これはとても重要なことです(先人達は皆さん痛い目にあっています).
 キット付属のアンテナはグランドプレーンが付いていません.これはキット付属のアンテナがマグネットで取り付けることを想定しており,例えば自動車の屋根につけた場合,自動車の屋根自体がグランドプレーンになることを想定しているからです..アンテナ単体で使う場合は,別途,グランドプレーンを付ける必要があります.2018年1月号第9話写真2(p.63)にあるように,RTKで利用する場合は必ずグランドプレーンを付けて下さい.付けると付けないでは全く別物と思える程の性能差がでます.


それでは定評のあるアンテナを紹介します.

Tallysman社 TW2710


受信衛星
(対応信号)
GPS/QZSS(L1), BeiDou(B1), GLONASS(G1),  Galileo(E1)

 寸法,重量

φ57 mm x 15mm , 150g

 アンテナ端子

SMA-J もしくは 5mケーブル付SMA-P(2種類の仕様あり)

 取付ネジ

マグネット(pre-tapped 4 x 6-32 UNC)

 グランドプレーン  未装着(10cmのグランドプレーン装着を想定した仕様)

 参考価格

Digi-key で11,606円(税抜)(H29.12.14現在)

 購入方法

通販等

 website


Tallysman TW2710商品ページ

 備考



受信機の評価キットに付属するアンテナに採用される等,
その性能には定評がある.
グランドプレーンを付けないと性能がでないので注意! 
グランドプレーンはTallysmanからは販売されていないので
自作するしかありません.個人輸入扱いなのでサポート?
自己責任での購入.



小峰無線電機 QZG1a


受信衛星
(対応信号)
GPS/QZSS(L1), BeiDou(B1), GLONASS(G1), Galileo(E1)

 寸法,重量

φ93.5mm × 42.0mm,0.2kg以下

 アンテナ端子


SMA(QSMA-J)
SMA互換の独自QSMAコネクタにより,プッシュオンフルロック
機構によるクイック結合が可能 (アンテナケーブルは別売)

 取付ネジ


 カメラ三脚用ねじ 1/4-20 UNC-2B 深さ 6.0mm
(各ネジへの変換アダプタ準備中)

 グランドプレーン

 取付済(内蔵)

 参考価格



オープンプライス
トランジスタ技術キットでトレーニング用途で購入の場合,
特別価格の適用!是非ともお問い合わせして下さいとのこと.

 購入方法


業販,個人購入とも以下より問い合わせ
 小峰無線電機 お問い合わせページ

 website

 QZG1a 商品ページ

 備考

つくばチャレンジ2017RTK-GNSS実証試験で利用実績あり.
日本製アンテナ
C/N0アップの改良版投入.Fix率と精度向上を確認.



リットー社TW2710GP


受信衛星
(対応信号)

GPS/QZSS(L1), BeiDou(B1), GLONASS(G1),  Galileo(E1)
Tallysman社 TW2710と同じ

 寸法,重量

φ100mm ×  15mm,150g

 アンテナ端子

SMA-J(アンテナケーブルは別売)

 取付ネジ

1/4インチねじ(カメラ三脚用ネジと同じ)

 グランドプレーン

 取付済(ステンレス製)

 参考価格

定価38,000円(税抜)

 購入方法



業販に限定 (個人購入の場合は要相談(銀行振込後に納品で
対応可能))以下より問い合わせ
リットー お問い合わせページ

 website

TW2710GP 商品ページ

 備考




Tallysman TW2710のマグネットなし軽量仕様(正規ルート品)
にグランドプレーンを付けた製品,別商品で重機等の大きなGが
かかる用途向けのTW3710GPという製品あり
(グランドプレーンをステンレス削り出しで製作した製品)



Harxon社 HX-CSX601A 



受信衛星
(対応信号)

GPS(QZSS) L1/L2/L5, BeiDou B1/B2/B3, 
GLONASS L1/L2, Galileo E1/E2/E5a/E5b
 

 寸法,重量

φ173.4mm × 62.6mm , 580g

 アンテナ端子

TNC-J(アンテナケーブルは別売)

 取付ネジ

5/8インチ

 グランドプレーン

 取付済(内蔵)

 参考価格

66,000円(税抜)(納期2−3週間)

 購入方法




業販に限定 (個人購入の場合でも銀行振込後に納品で対応可能)
以下より問い合わせ
コンピュータ・システム株式会社 木村様
E-mail

 website





HX-CSX601A 商品ページ

取り扱い
コンピュータ・システム株式会社(代理店)
コンピュータ・システム ホームページ

 備考





なんと3周波フル衛星対応のアンテナがこの価格(他メーカでは
20万円以上します).ユーザ情報からQZSSのL6信号も非公式
ながら受信可能,その性能は高く評価されている.
他に2周波対応のGPS600(50,000円),1周波対応のHX-CH
3602A(28,000円)あり(こちらはユーザ情報なし,要問い合わせ)



第2回 キットが手元に届いたら

 トラ技RTKスタータキット基準局用TG−RTKA,移動局用TGRTK-Bが発売されました.発売後すぐに発注された読者には,手元に届いた頃だと思います.第2回は,キットが届いたら何から始めたらよいか.何が必要になるかというお話です.そして動作確認...ここまできたらRTKの試運転もやってみましょう!.

第2回 キットが手元に届いたら

 ●商品構成を確認しよう
 キットが届いたらまずは商品を確認しましょう.受信機とアンテナが入っています.




(1)受信機
 基準局用TG−RTKAにはNEO-M8P-2-10,移動局用TGRTK-BにはNEO-M8P-0-10というモジュールが搭載されています.間違いないか確認しましょう.アンテナ端子はSMA-Jです.他にマイクロUSB端子があり,ここから受信機への給電するとともにパソコンと接続します.基板両サイドにはピンヘッダが立てられる穴が用意されており,M8Pモジュールの各端子に接続できるようになっています.ピンヘッダを立てることでUARTが1つ利用できます.(設定でUART用の端子をSPIとして使うことが可能)
 詳細は以下のM8P商品サイト一番下の右にある「他のテクニカル・リソース」のリンク先をご覧ください.例えば, NEO-M8P Hardware Integration Manual ではNEO-M8Pモジュールのピンアサイメントが確認できます.
https://www.u-blox.com/ja/product/neo-m8p-series

 基板のまま使うのは怖いので私は3Dプリンタでケースを作りました.何でもよいと思いますがケースに入れたほうが安心です.



(2)アンテナ
  アンテナケーブルは3m弱(3mにはちょっと足らず).アンテナ裏がマグネットになっており自動車のルーフなどにくっつけて使えます.端子は3mのケーブル先にSMA-Pとなっていて,受信機にそのまま接続できます.サポートサイト第1回で説明した通り,このアンテナはGPS受信用で,BeiDou受信で5dBHz程度落ちますが,初めの一歩として理解して使う分には問題ありません.まずはこのアンテナを使って受信してみましょう.



必要なものを揃えよう


 ここからは2018年1月号第9話の内容にふれながら話を進めます.まず必要なものを揃えましょう.

(1)給電・パソコン接続ケーブル
 受信機への給電とパソコンとの通信接続のため,マイクロUSBケーブルを用意してください.


(2)アンテナのグランドプレーン
 アンテナ単体では性能がでません.自動車のルーフに搭載など10cm程度の面積をもった導体面にくっつける場合を除いて,2018年1月号第9話写真2に紹介されているように必ずグランドプレーンを取り付けてください.これをつけないとRTKは性能がでません.
 私も100円ショップで鍋蓋を買ってきました.ステンレス製Φ185mmです.



この取っ手を外してアンテナをくっつけてみます.



こんな具合です.

(3)パソコン(Windows)
 受信機に搭載されているユーブロックス社M8Pの設定のためのソフトウェアを動作させるため,Windowsパソコンを使います.USB端子で接続して設定します.


(4)受信機設定ソフトウェアu-center Windows(2018年1月号付属CDに収録)
 ユーブロックス社受信機モジュールの設定を行うソフトウェアです.Windows版です.ユーブロックス社ホームページより,サポート>評価用ソフトウェア>u-center Windowsより無償ダウンロード可能です.ダウンロードしましたらインストールして下さい.



接続する

 必要なものが揃ったら接続します.




上図のように接続します.難しいことは何もありませんね.




こんな具合です.私はwindows7(Macの Parallels Desktop)環境で動作確認します.


アンテナを設置しよう

 次に動作確認をします.衛星からの信号を受信しましょう.まず窓際に移動して下さい(できればBeiDou衛星が受信しやすい南側の窓がお勧めです).アンテナを窓から出しましょう.アンテナやグランドプレーンを落とさないように注意して下さい.

 事情によりアンテナを屋外に出せない場合は,窓際に置くことで受信感度は低いものの動作確認はできます.しかし,受信感度は低く,受信できる衛星も少ないため面白くありません.寒い季節になりましたがやはり屋外が最適です.車のルーフにくっつけて,周囲に建物や木々が少ない郊外に移動したり,屋上で試すのが理想的です.

 私は窓の外にアンテナを置いてみます.



 こんな具合です.窓の外と言っても壁際です.建物の壁で天空の半分が隠れます.RTKでは性能をみる場所としては適していません.このような環境での動作確認を皆さんに紹介するのは心苦しいのですが,都会に住む読者には上空が開けた場所を探すことさえ困難ということもあると思います.あくまでも動作確認ということでお許し下さい.


u-centerを起動する

 それでは受信してみましょう.パソコンでu-cennterを起動してください.次のような画面が表示されます.


それでは操作していきましょう.


受信機をu-centerに接続する

 受信機を接続するには,接続されたCOMを選択します.メニューよりReceiver>Portを選択し,接続したCOM番号を選択してください.下のボタンをクリックしても同じです.



COM番号が複数ある場合,受信機がどのCOMにつながっているか,一つずつつないでみるのも良いですが,どのCOM番号に受信機がつながっているかは,デバイスマネージャーの「ポート(COM と LPT)」の中の「u-blox GNSS Receiver (COM**)」の**のところでわかります.もし,この項目が無い場合,受信機のUSBを抜き差ししてください.また,Windows10をお使いの読者は,後述する補足「Windows10でポートに受信機が現れない場合の対処方法」をご覧ください.

(補足1)Windows10でポートに受信機が現れない場合の対処方法
 Windows10をお使いの読者は,受信機を接続したCOMが見つからないことがあります.これは受信機が他の種類のデバイスとして認識されることが原因です.2018年1月号のp.81のコラムに解決方法がありますので参考にして下さい(デバイスマネージャーにて「センサー」の中にあるu-blox GNSS Location Sensorを右クリックしてドライバーの更新を選んで下さい.下部の「コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します」をクリックして,「USB シリアル デバイス」を選択します.そうすると「ポート(COM と LPT)」の中に「u-blox Virtual COM Port」が現れます.これで解決です).

(補足2)u-centerで設定変更が反映されないときの対処方法
 以後のu-centerの操作において,設定変更が反映されない,プルダウンメニューで項目が選べないことがあります.このときはUSBの抜き差しを数回して,再度操作して下さい.何度か繰り返すことで復旧することがあります.それでも復旧しない場合は,後述の「受信機の設定を初期状態に戻す」の操作を数回繰り返して下さい.その後,u-centerの終了,再立ち上げをすることで,この問題は解決することが多いです.



接続されるとボタンが緑に変わります.




受信機に接続されているかどうかは,ウィンドウ右下のステータス表示を見るとわかります.



左から2番目のCOM17の左側のコネクトを表すアイコンが緑に点滅していれば接続できています.このアイコンに変化がない場合,受信機に接続できていません.受信機の接続されたCOM番号を確認してください.



 以後,まずは文字だけを見て設定を進めましょう.確認のみの項は飛ばしても大丈夫です.設定項目はそれほど多くはありません.それでは開始しましょう!


受信機の設定を初期状態に戻す

 これからの操作は,受信機の設定変更です.既に設定変更をしている読者は,説明通りにならない可能性があります.そこで受信機の設定を初期状態に戻します.メニューより,View>Configuration Viewを選択して下さい.するとConfigurationウィンドウが立ち上がります.



右側のリストからCFGを選択して下さい.次に右側のチェックボックスをRevert to default Configurationを選択,さらにDvicesの4つの不揮発メモリ全てを選択した上でsendして下さい.これで設定が初期状態に戻りました.


受信状況の表示しよう

受信状況を表示しましょう.以下の表示を選択します.
1)Viewメニュー>Docking Windows>Satellite Position
2)Viewメニュー>Docking Windows>Satellite Level
3)Viewメニュー>Docking Windows>Satellite Level History
4)Viewメニュー>Docking Windows>Data


Viewのウィンドウの大きさは調整してください.



 このように受信状況が表示されました.
(1)Satellite Position:現在地から見た衛星の位置(仰角と方位角)をプロット
(2)Satellite Level:各衛星の受信感度C/N0を表示
(3)Satellite Level History:各衛星の受信感度の推移を表示
(4)Data:緯度,経度,楕円体高,測位フラグなどを表示.

なお,測位フラグは,3D(単独測位), 3D/DGNSS(ディファレンシャル測位), 3D/DGNSS/FLOAT(RTK測位(FLOAT)), 3D/DGNSS/FIXED(RTK測位(FIX))を表します.

 Satellite Level History や Satellite Position でわかりますが,受信機の出荷状態は,GPS+GLONASS受信となっています.M8Pを使ったRTKではGPS+BeiDouの組合せが短時間にFix解が得られることから,u-center でGPS+BeiDouに切り替えます.


受信衛星を切り替える

 GPS+GLONASS受信から,GPS+BeiDou受信へ切り替えます.メニューより,View>Configuration Viewを選択して下さい.するとConfigurationウィンドウが立ち上がります.



左側リストから,GNSSを選択してください.次に右側のGLONASSのEnableのチェックを外し,BeiDouのEnablelのチェックを入れてください.QZSSのチェックは入っていても入っていなくても,現在のところ,まだ受信機モジュール内部のRTK測位計算には対応していませんが,入れておきましょう.最後にsendしてください.

次にこの設定が受信機が再起動しても残るように受信機モジュールに書き込みます.



右側のリストからCFGを選択して下さい.次に右側のチェックボックスをSave Current Configurationを選択,さらにDvicesの4つの不揮発メモリ全てを選択した上でsendして下さい(設定変更の最初に初期状態に戻すため,Revert to default Configurationを選びましたが,このままでsendボタンを押すと初期状態に戻ってしまいます.注意して下さい).これで設定が保存されました.(この設定変更を保存するための操作は,今後,頻繁に使います)

 u-centerの画面を確認して下さい.GLONASSからBeiDouに切り替わり受信が開始されているでしょうか.



BeiDouの受信が開始されません.困りました.これには原因があります.

現在,BeiDouの受信情報は,ユーブロックスM8ではNMEA形式ではサポートされていません.そのため,UBX形式のNAV-SVINFOというデータが出力されていないと受信が取得できず表示できません.そこで,この情報を出力します.



右側リストのMSGを選択して下さい.次に左側のMessageのプルダウンリストからNAV-SVINFOを選択の上,USBにチェックを入れて下さい.最後にSendして下さい.そして受信機モジュールの不揮発メモリに保存するため,前述のようにCFGにて保存操作をして下さい.いかがでしょうか.BeiDouの表示が始まったと思います.



 受信機の電源を切っても大丈夫なはずです.一度,USBを抜き差しして,GNSSが変更されずGLONASSに戻っていないか確認しましょう.GLONASSが受信された場合は変更が反映されていません.


単独測位の見てみよう!
(追加予定)


RTKの設定をしよう!

 それではRTKの設定を開始します.単独測位では測位結果の暴れが数mであることが確認できたと思います.これがRTKではFixすると数cmになります.ただし,読者の居住地から10km以内にオープン基準局がある場合に限られます.それ以上ですとFix解が得られません.FLOAT解の場合,数mから数十cmで,Fix解に移行しようと測位結果がさまようように歩き回ります.その様子も確認しましょう.


 それではu-centerにより以下の操作を続けましょう.メニューより,View>Configuration Viewを選択してConfigurationウィンドウを立ち上げます.

(1)DGNSSの設定(確認のみ)



右側リストのDGNSSを選択して下さい.次に左側のDifferential Modeのプルダウンリストが,3-RTK fixed ambiguities are  fixed whenever possible に選択されていることを確認して下さい.もし違う場合は変更後にSendして下さい.
 なお,この設定は,Fix解を求める過程で整数値バイアス(衛星-受信機アンテナ間の波数)を求めるためです.基準局からの距離(基線長といいます)が10km以内の場合は,この設定として下さい.それ以上の距離の場合はFix解が得られたとしても波数を間違えるミスFixの可能性があります.また,Fix解を求める過程で測位結果の値が飛ぶ現象が見られます.この飛びを避けたい場合は,以下の2-RTK floatを選択して下さい.これを選択するとFloatのままでFixしなくなりますが,Fixする際の測位値の飛びやミスFixを避けることができます.



今回は動作確認ですので,ミスFixを覚悟して 3-RTK fix を選択しましょう.


(2)Portの設定(確認のみ)



右側リストのPRTを選択して下さい.次に左側のTarget のプルダウンリストで3-USBを選択して下さい.Protocol in, Protocol out がともに 0+1+5 UBX+NMEA+RTCM3に選択されていることを確認して下さい.もし違う場合は変更後にSendして下さい.
 この設定は,各ポートにおいて,入出力するプロトコルを指定します.例えば,Protocol in を1+5 UBX+RTCM3に変更すれば,USBから受信機に入力されるNMEAは無視されます.また,target で UART1を選択すれば,UART1の入出力のプロトコルを制限できます.


(3)MSGの設定(確認のみ)



右側リストのMSGを選択して下さい.次に左側のMessageのプルダウンリストから,F0-00 NMEA GxGGAを選択して下さい.USBにチェックが入っていることを確認して下さい.もし入っていない場合はチェックを入れてSendして下さい.なお,他のインターフェースI2CやUART1,SPIへの出力もここで設定します.不要ですが特にチェックを外す必要もありません.

初期状態では次のデータが出力されています.
NMEA GxGGA
NMEA GxGLL
NMEA GxGSA
NMEA GxGSV
NMEA GxRMC
NMEA GxVTG

このうち,GxGGA以外は不要です.GxGSVは,前述の操作(BeiDou受信への切替え) において,SVINFO を新たに加えていますが,このデータで兼ねることができます.SVINFOのデータがGxGSVよりも,詳細なデータを送っており,より詳しい受信状況を表示できます.GxGLL,GxGSA,GxGSV,GxRMC,GxVTGは,USBからの出力設定でカットしても構いません(どちらでもよいです).

(補足)
GxGGAの x は何を表しているのでしょうか.最初の2文字はTalker IDと呼ばれるものです.GPSだけの時代はGPGGAというように Talker ID は GP でした.その後,GL(GLONASS),GN(複合衛星システム),GB(BeiDou),GA(Galileo)などが定義されています.GPS時代の受信機を更新する際,Talker ID がGPでないと受け取れないシステムが下流側にある場合,この変更は問題となります.u-centerやRTKLIBでは,このTalker IDを選択できるようになっています.



(4)TMODE3の設定(確認のみ)



右側リストのTMODE3を選択して下さい.次に左側のModeのプルダウンリストから,0-Disabled が選択されていることを確認して下さい.もし違う場合は選択してSendして下さい.

(以後,この節では基準局を自前で設置するための説明です.今回の動作確認には必要な操作はありません)
  この設定は,基準局の設定(2018年1月号でMy基準局と呼んでいるものが関連)をする場合に使います.1-Survey in を選択すると,Survey in の入力が可能となります.このモードは,単独測位の測位結果を平均化して,基準局座標値に自動設定するためのものです.最低観測時間と要求測位精度を設定します.例えば最低観測時間を300秒,要求測位精度を5mと設定すると,300秒以上観測し,その測位精度が5m以下に収まった場合は基準局の座標値として自動登録します.5m以上の場合はさらに観測を続けて5m以内になるまで基準局の座標値を決定しません.要求測位精度を高く(小さく)設定すると,いつまでも決定されないことになります.単独測位の精度は5m程度です.この誤差は移動局の結果にオフセットとして表れます.次に2-Fixd Mode を選択した場合は,Fixd Position が入力できるようになります.緯度経度楕円体高で入力する場合は,Use Lat/Lon/Alt Position にチェックを入れて下さい.その際,Lat/Lonは度表示で入力します.ここには測量で得たアンテナ位置を入力してください.よくGoogle Mapから読み取った緯度,経度を入力してしまう人がいますが,Google Mapの緯度,経度は正確ではありません.そのような場合は1-Survey in を選択したほうが高精度です.入力した基準局座標値の誤差が数十mレベルの場合,受信機が判断してRTKでは測位計算せず単独測位になります.トラブルの元なので,不正確な座標値の入力だけはやめましょう.
(自前基準局の説明はここまで)



(5)NAV5の設定変更



右側リストのNAV5を選択して下さい.次に左側のDynamic Mode のプルダウンリストから,0-Portable が選択されていることを確認して下さい.自動車で使う場合は 4-AutoMotive を選択したほうがよいです(0-Portableで問題が生じるわけではありません,性能を引き出せないだけです).次に受信する衛星の最低仰角を10[deg]から15[deg]に変更します.低い仰角の衛星からの信号は,パスが長くマルチパスも多く含んでいることからノイジーです.頑張って受信しなくても質の良い高い仰角の衛星を使うほうが無難なので仰角を上げます.さらに上げたいところですが,そうすると受信衛星数が減ってしまうのでバランスを取ってください.最後に受信感度のしきい値を設定します.付属のアンテナの受信感度を考慮して35[dBHz]に設定します(高性能なアンテナをご利用の場合は,衛星数を最低10個程度は受信できる値に調整して下さい.Tallysman TW2710で40〜42[dBHz]程度になります).
最後にSendして下さい.


(6)NMEAの設定変更



右側リストのNMEAを選択して下さい.次に左側の上側にあるプルダウンリストで,CFG-NMEA-DATA2 を選択して下さい.Mode Flags の High Precision Mode にチェックを入れて下さい.この設定はGxGGAの通常のフォーマット桁数では,RTKの精度を表現に不足することに対応するものです.この設定によりミリメートルの桁数まで測位結果が出力されるようになります.最後にSendして下さい.

 設定を不揮発メモリに保存するため,CFGにてsendしてください.これを忘れると電源OFFで設定が消えてしまいます.ご注意を!


(7)Ntrip Clientの設定

 この設定で最後です.もう一息です.頑張りましょう.
 RTKの基準局データを受信します.パソコンをネットワークに接続して下さい.企業内などセキュリティの関係でポートが通らない場合,Ntripのデータを受信することができません.その場合は,テザリングやモバイルルータで受信して下さい.格安SIMの低速モードで十分に受信できますが,データの詰まりが頻発する質の低い回線では受信に影響があります.気をつけて下さい.

 それではu-centerにより以下の操作をしましょう.メニューより,Receiver>NTRIP Client...を選択してNTRIP client settings ウィンドウを立ち上げます.



ここにNTRIP Caster から配信される基準局情報を入力します.ここでは茨城高専でオープン基準局として登録している基準局を受信してみます.NTRIP Caster Settings にあるAddress, Port, Username, Passwordに次の値を入力します.

   -  Address  52.185.144.65
   -  Port        2102
   -  Username ibaraki
   -  Password  kousen


続いて Update source table のボタンを押して下さい.そうすると,Ntrip Mount Point に Iba-RAW と Iba-RTCM3 がでてきます.このうち,Iba-RTCM3 を選択して下さい.最後にOKボタンをクリックして下さい.

上記の他に筑波大学,静岡大学,CQ出版の基準局が利用できます.
なお,接続先は距離の近いものをお選び下さい.

筑波大学L棟
   -  Address  RTK2go.com
   -  Port        2101
   -  Username なし
   -  Password なし
   -  NTRIP Mount Point TSUKUBA-RTCM3

静岡大学浜松キャンパス
   -  Address  hamamatsu-gnss.org 
   -  Port        2101
   -  Username guest 
   -  Password  guest 
   -  NTRIP Mount Point SU_RTCM3

CQ出版(東京都文京区)
   -  Address  160.16.134.72
   -  Port        80 (2101も対応)
   -  Username guest
   -  Password  guest
   -  NTRIP Mount Point CQ-RTCM3


茨城高専の基準局の設置状況です.アンテナはリットー社TW3400GPを使っています.


 なお,2018年1月号第14話の「善意の基準局」には,既に幾つかのオープン基準局が登録されています.
http://rtk.silentsystem.jp/

この中で,データ形式がRTCM3で,配信方法がNtripのものが利用できます.2017年12月17日現在,茨城高専のIba-RTCM3と静岡大学浜松キャンパスのものの2つが登録されています(今後,どんどん増えると思います).

 静岡大学浜松キャンパスのものは,静岡大学の木谷先生が整備した基準局です.基準局に関する情報も以下のホームページで紹介されています.すばらしい内容のホームページでほれぼれしてしまいます.是非一度のぞいてください.
https://hamamatsu-gnss.org


 話を戻しましょう.Ntrip Casterからの基準局データの受信が始まるとRTKが始まります.Dataウィンドウを見ると Fix Mode が 3D から 3D/DGNSS/FLOAT に変化して,Fix解を目指して解の収束が始まります.基準局からの距離が10km程度で短い場合,正確に波数が決定されて 3D/DGNSS/Fixd に変化します.このときは精度数cmになっています.




MAPにプロットしよう

 その状況をMap Viewで確認しましょう.Viewメニュー>Docking Windows>Map Viewでデジタル地図上に測位結果がプロットされる画面が表示されます.大きさを調整して下さい.緑の点が測位結果の履歴で黄色の点が現在の結果です.ちょっと見づらいですね(プロットの形をクロス(×)に変更できます.右クリックでメニューから探して下さい).単独測位の時の測位結果もプロットされているので比較ができると思います.



窓際では精度がでません.是非開けた場所でお試し下さい.正しくFixしたときの精度はすばらしいものです.地図と合わないと感じる読者も多いと思います.この地図はディファレンシャル法の精度レベルで作成したもので精度は高くても50cm〜1m程度のものです.ずっとRTKが精度が高いのです.基準局の座標値がしっかり測量されたものであれば,RTKの測位結果の精度が悪いのではなく,地図の精度が悪いことになります.よく,地図と合わないから精度が悪いのではないかと相談がありますが,勘違いしやすいので注意して下さい.逆に地図とぴったり合うから正確という考えも危険です.


RTKにおけるデータの流れ

 今回のRTKは,どんなデータの流れで,どこで測位計算をしているのでしょうか.次の図にその概要を示します.



 皆さんは,Windows上のu-centerからNtrip Casterへアクセスし,そこにつながる基準局の一つ(今回は茨城高専の基準局)の基準局データ(RTCM3)の配信を受けます.そのデータを受信機に送り,受信機内部の測位計算エンジンを使って測位計算をします.その結果をパソコンに戻して(GxGGA),u-centerで表示しています.

 次にRTCM3の中身です.RTCM3にはMessage Typeの後に4桁の数字でその種類を表します.2018年1月号第13話の表1(p.77)に説明があります.M8PでGPS+BeiDouの場合,RTCM3には次の信号が含まれます.
    - RTCM3 Type 1005 基準局座標値
    - RTCM3 Type 1077 GPSの擬似距離,搬送波位相,ドップラー.信号強度
    - RTCM3 Type 1127 BeiDouの擬似距離,搬送波位相,ドップラー.信号強度
GPS(L1)とBeiDou(B1)で3,000bps弱となります.


 以上,第2回は膨大な量となってしまいました.ただ文字だけなら操作量は程々です.もし,この設定通りにやっても動かないということがありましたら編集部まで情報を下さい.必要に応じて補足情報を加えていきます.

 次回はRTKLIBによる測位計算について紹介します.RTKLIBは,高須先生が作り上げたRTKオープンソースプログラムパッケージで,RTKを世界に広めた立役者です.皆さんもその虜になること間違いなしです.こうご期待.


第3回 RTKLIBを使いこなそう

こうご期待!

第4回 My基準局を立てて公開しよう

こうご期待!

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