本書は,初めて「電気」を勉強する人にお勧めの本です.抵抗/コンデンサ/OPアンプという3つのシンプルな部品を素材に,正しい電子回路の設計手法を丁寧に説明します.
品質の高い機器を作る力は,以下の3つの作業を何度も繰り返すことで培われます.
(1)デバイスのふるまいをイメージ
(2)信号の電圧や電流の大きさを計算して予測
(3)製作して測る
漫画,絵解き,実験,演習問題で独習できるIoT時代の実務教科書
▲B5判 368ページ
▲通常定価2,970円(税込)
▲JANコード:JAN9784789845250
▲2020年4月25日発行 好評発売中!
▲瀬川 毅/宮崎 仁 著
正誤表
本書の初版
におきまして下記の箇所に誤りがございました.ここにお詫びして訂正いたします.
●第1章 電子回路超入門
p.31,8行目:分子(numerator) → 分子(molecule)
p.50,式(6)の1行目の分母:100×10 → 100×10-6
p.97,式(C)の分母:√(2) → √(3)
p.97,式(C)のすぐ下の行:サイン波 → 三角波
●第2章 抵抗の基礎
p.149,図2の右側の
V1の式:V1=RSIS+(r1+r2)IS → V1=RS(IS1+IS2)+(r1+r2)IS1
V2の式:V2=IS2(r1a+r2a) → V2=IS2(r1a+r2a)+RS(IS1+IS2)
●第3章 キャパシタの基礎
p.158,式(5)の3行目の数式の印刷部分に欠けがあリます.
p.167,式(18)の中:ZC→ |ZC|
p.185,図4(a)および図5(a):1k→10k
p.191,コラム1の下から3行目:one thousand farad→ one thousand pico farad
●第4章 OPアンプの基礎
p.233,本文中の上から1行目:NJM5532D→NJM4558D
p.259,式(10)の下側の本文中2行目:
(非反転入力端子電圧∓反転入力端子電圧)
↓
(非反転入力端子電圧-反転入力端子電圧)
p.264,式(28)の上側の本文中3行目:R1/R1+R2 → R1/(R1+R2)
p.270,
本文の1行目:DC-0.10V → DC+0.10V
本文の2行目:DC1V → DC-1V
●第5章 フィルタ回路の作り方
p.284,
式(19)の中:ZO→ZI
式(20)の下の本文1行目:式(21)を → 式(20)を
P.305の図3および図3に関連する文章 R8→R9,R9→R8
P.305の図3に関連するR8=10kΩ,R9=11kΩ
p.308のR8=51kΩ,R9=36kΩ
p.325の本文1 行目:metal →Metal
p.328,一番上の計算式fC=1/(2nCR) → fC=1/(2πCR)
p.328,真ん中の計算式fC=1/(2nCfRf) → fC=1/(2πCfRf)
p.328,真ん中の設計式のC1:√2Cf → Cfにかかっている√は外す
p.328,一番下の計算式fC=1/(2nCfRf) → fC=1/(2πCfRf)
p.333,表1は下記の表に差し替え.
補足説明
●P302 の式(3)から式(5),およびP305 の式(14)から式(15)の導出について
読者様よりご質問をいただきましたので,以下に補足解説を追記します.
P302の式(3)から式(5),およびP305の式(14)から式(15)の導出については,伝達関数とかラプラス変換,状態方程式などの数学的知識が必要です.
このことを記述するとまた一冊の本になると思われます.本書の想定している読者,電気を学ぶ工業高校生とか高専生,専門学校生のレベルを超えると思い,またなにより本書の目的の「回路に親しんでもらう」ことから大きく逸脱すると思ったので,あえて割愛しました.ここでは導出の方法をお知らせすることでご容赦して頂ければと存じます.
結論としては,サレンキー回路もステート・バリアブル・フィルタも,ローパス・フィルタなら,式(1)の二次遅れ系と呼ばれる伝達関数になります.
…式1
ここで
ω0=2π
f0 f0:カットオフ周波数
…式1.1
です.フィルタを作る目的なら,式(1)で
Qは周波数特性が平坦となる値
としています.
サレンキー回路やステート・バリアブル・フィルタから式(1)の伝達関数を得るには,知る限り2つの方法があります.
●方法1 電気回路理論における複素記号法を使って伝達関数を得る方法
具体的にはキャパシタのインピーダンス
ZCを,
…式2
として回路方程式を立てて入力電圧と出力電圧の比を求める方法です.伝達関数らしくするために,
…式3
として,キャパシタのインピーダンス
ZCを
…式4
とすると,ラプラス変換を用いずに式(1)にたどり着きます.
OPアンプは,オフセット電圧も0Vでバーチャル・ショートがなり立っている前提です.
●方法2 状態方程式をたててラプラス変換して伝達関数を得る方法
キャパシタ電圧
vCは,一般に
…式5
です.ここで式(5)を両辺微分すると
…式6
となります.この
dvC /
dtを状態変数(state variable)として,回路の状態方程式をつくります.
それで得られた状態方程式をラプラス変換して式(1)の伝達関数を得る方法です.ここでもOPアンプは,オフセット電圧も0V でバーチャル・ショートが成り立っている前提です.ステートバリアブルフィルタは,その名前からこの手法で考えられたのではと推察しています.
この辺の参考文献には,ピッタリの適切な文献がありません.強いてあげると文献(*1)です.また,状態方程式は,下記のや現代制御理論(*2)やスイッチイング・コンバータの解析(*3)から学びました.ご参考まで.
参考文献
1) 渡辺嘉二郎 他著,アナログフィルタの基礎,2009,オーム社
2) 佐藤和也 他著,はじめての現代制御理論(KS 理工学専門書) 2012,講談社
3) Robert W. Erickson 著,Fundamentals of Power Electronics,2001,Kluwer Academic Publishers |
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