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堅牢無線インフラのキー・デバイス「アンテナ」[第2回]TEアンテナ採用!自動配送システム「ワイヤレス倉庫」
![堅牢無線インフラのキー・デバイス「アンテナ」</br>[第2回]TEアンテナ採用!自動配送システム「ワイヤレス倉庫」](https://toragi.cqpub.co.jp/wp-content/uploads/スクリーンショット-2025-09-02-16.35.37-768x430.png)
スマートライフを支える社会基盤として,物流業界でも在庫管理や搬送の自動化が進化したスマート物流が注目を集めています.その中心となる「ワイヤレス倉庫」では,無線機器を活用した通信インフラの整備が不可欠であり,信頼性の高い通信環境の構築がスマート物流の成功を左右しています.スマート物流のデータ通信を支える高品質なアンテナ製品を提供するTE コネクティビティについて紹介します.
スマート物流を支えるワイヤレス倉庫
インターネット通販の拡大に伴い,物流業界ではリアルタイムの在庫管理や即日配送対応が課題となっています.これらの課題を解決するため,図1に示すようにRFID,監視カメラ,搬送ロボットなどの物流で使用する機器を無線通信で接続し,倉庫内の状況をリアルタイムで把握しながら自動配送が行える「ワイヤレス倉庫」が注目されています.ワイヤレス倉庫のシステム構築には,高信頼で堅牢な無線インフラが不可欠であり,安定したネットワーク環境が物流の効率化と迅速で安全な配送業務を支えています.
図1 スマート物流で活躍するワイヤレス倉庫

ワイヤレス倉庫の無線インフラ整備
ワイヤレス倉庫の構築においては,倉庫の広範囲エリアで安定したデータ通信が可能な無線方式を選定することが重要となります.各機器の役割とデータ通信要件を考慮し,目的に合った無線方式を導入することで,倉庫システム全体の効率を最大化できます.
自動搬送車(AGV)の運用には,周囲環境の情報を低遅延でクラウドへ送信できるネットワーク接続が不可欠となります.そのため,大容量データを低遅延で通信できるWi-Fi6や5Gなどの無線方式が用いられます.
一方,倉庫の広範囲に設置される温湿度センサは,敷地内に多数設置され電源供給が困難な場所にも配置されるため,低消費電力で安定したネットワーク接続が可能な無線方式が選ばれます.例えば近距離通信の場合にはBluetoothLow Energy(BLE)が用いられ,長距離データ通信が必要な場合にはLPWA(LoRa,NB-IoT)が用いられます.
倉庫で運用する機器の無線方式は,アプリケーションに応じて最適なものを選定することで,安定した通信環境を構築できます.
ワイヤレス機器のアンテナ選定の重要性
倉庫内の情報をクラウドへ安定的に送信するために,ワイヤレス機器に用いるアンテナの選定には十分な考慮が必要です.アンテナ種類や形状は通信範囲や伝搬性能に大きな影響を与えます.倉庫のような広範囲の通信が求められる環境では,図2(a) に示す外部アンテナ(ExternalAntenna)が多く使用されます.これはWi-FiルータやLPWA基地局などに搭載され,広いエリアをカバーしながら安定した通信の維持に貢献します.特にLPWA通信では低消費電力で長距離通信が求められるため,外部アンテナが使用されます.
一方で,環境センサやIoTデバイスのような小型機器では,スペースの制約やデザイン性を考慮して,図2(b) に示す内蔵アンテナ(Internal Antenna)が採用されます.このアンテナ部品は機器内部に搭載されるため,外部アンテナほどの通信範囲は確保できませんが,コンパクトかつコスト効率の高い設計が可能となります.
図2 内蔵アンテナと外部アンテナ

ワイヤレス機器開発における専門家の支援サポートの活用
TE コネクティビティは,アヴネット株式会社などと連携し,試作から量産に至るまで,部品供給や技術サポートに柔軟に対応いたします.IoTエンドデバイスの仕様に適したアンテナ選定やサンプル部品の迅速な供給から,長期間にわたるトレーサビリティを確保した部品供給まで,設計者のあらゆるニーズに対応できます.
TE コネクティビティのアンテナ製品を活用することで,さまざまな環境下でも安定して稼働するIoTエンドデバイスを効率的に開発することが可能です.

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アヴネット株式会社
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取材・レポート:田口 海詩








