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堅牢無線インフラのキー・デバイス「アンテナ」[第1回]課題解決!TEのワイヤレス接続最適化支援ソリューション
![堅牢無線インフラのキー・デバイス「アンテナ」</br>[第1回]課題解決!TEのワイヤレス接続最適化支援ソリューション](https://toragi.cqpub.co.jp/wp-content/uploads/スクリーンショット-2025-09-02-15.49.32-768x596.png)
私たちの暮らしをテクノロジーの力で快適にするスマートライフの実現には,センサや通信機能を組み込んだIoT エンドデバイスの開発が不可欠です.これらのデバイスは無線通信によってデータのやり取りを行うため,アンテナ設計が安定したシステムを構築する上での重要なポイントとなります.信頼性の高いアンテナ製品を幅広く提供するTE コネクティビティについて紹介します.
スマートライフを支えるIoTエンドデバイス設計— 成功のカギ
近年,IoT技術は農業,工場,輸送,都市,住宅など多様な分野に導入され,情報のリアルタイム共有,作業の自動化,エネルギーの効率化など私たちの生活利便性向上に貢献しています.IoT技術を支えるために,私たちの身の回りには図1に示すように多様なワイヤレス通信技術を活用したIoTエンドデバイスが導入されています.
IoTエンドデバイスの設計においては,安定した通信環境の構築が不可欠であり,適切なワイヤレス通信技術の選定が重要です.ワイヤレス通信方式には,セルラー,LPWA,Wi-Fi,Bluetooth,GNSSなどがあり,アプリケーションや設置環境に応じて最適な方式を選択することが設計の成否を左右することになります.また,エンドデバイスの性能を最大限に発揮させるため,選定した通信方式に最適なアンテナの採用が重要な要素になります.
図1 スマートライフを支えるワイヤレス技術
ワイヤレス機器を開発する上での重要ポイント
ワイヤレス機器開発をスムーズに行う上で,いくつかの重要なポイントがあります.企画段階では,開発する機器の目的や仕様を明確にし,最適な通信方式を選定することが重要です.試作段階では,選定した通信方式に合わせて最適な通信モジュールやアンテナ部品を選定し,性能評価を行うことが業務の中心になります.設計上の課題を特定し,通信の最適化を行うことが重要です.量産段階では,使用部品のリードタイム管理やトレーサビリティの確保を行い,安定した部品の供給体制を構築することが重要です.また,ワイヤレス規格に関しては,各国の法的認証に対応することも不可欠です.
開発プロセス全体において,アンテナの設計や調整が機の通信品質に直結するため,計画初期段階から慎重に検討することが必要です.メーカの提供する技術サポートを活用することで,設計の品質と開発スピードの向上を行うことが可能となります.
高品質な接続技術を提供するTEコネクティビティ
TEコネクティビティは,高品質なコネクタ製品の取り扱いだけでなく,ワイヤレス接続の最適化を支援するソリューションを提供しています.Wi-Fi,Bluetooth,LPWA,GNSS など,多様なワイヤレス規格に適合した図2に示す標準アンテナを豊富にラインナップし,設計者はアプリケーションに応じて最適な部品を短時間で選定できます.また,スマートウォッチのようなコンパクトな筐体に用いる特殊アンテナに関して,
LDS(Laser Direct Structuring)技術を活用したカスタムアンテナの提供が可能です.限られたスペースに高性能アンテナを配置する場合に用いたい部品です.
ワイヤレス規格は各国ごとで若干異なっており,グローバル対応を考慮した設計が推奨となります.アンテナ設計やワイヤレス接続の最適化・規制対応には,TEコネクティビティが保有している技術情報を活用することが設計者の課題解決の近道となります.
図2 標準アンテナ
試作から量産まで対応可能なTEパートナーシップ
TEコネクティビティは,アヴネット株式会社などと連携し,試作から量産に至るまで,部品供給や技術サポートに柔軟に対応いたします.IoTエンドデバイスの仕様に適したアンテナ選定やサンプル部品の迅速な供給から,長期間にわたるトレーサビリティを確保した部品供給まで,設計者のあらゆるニーズに対応できます.
TEコネクティビティのアンテナ製品を活用することで,さまざまな環境下でも安定して稼働するIoTエンドデバイスを効率的に開発することが可能です.

アヴネット株式会社
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取材・レポート:田口 海詩